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インビザライン治療における質と量のジレンマ
2024.05.13
東京都港区表参道にある歯科医院で、運動能力向上と不定愁訴の改善を目指す矯正治療を専門に行っている伊藤剛秀です。現代人の健康課題に応えるため、私は全身のバランスを整えることができる独自の矯正治療法を提供しています。特に、表参道で矯正歯科をお探しの方々に、最先端の治療技術と丁寧なカウンセリングを組み合わせて、一人一人のライフスタイルに合わせた最適な治療プランをご提案しています。
皆さん、こんにちは。今日は、近年多くの歯科医師が直面しているある問題について、私の経験を交えて話していきたいと思います。それは、インビザラインのような矯正治療における症例数の増加と、治療の質との間に生じるジレンマです。
インビザラインは効果的な矯正治療法として広く受け入れられていますが、その背後には「症例数が増えるほど優遇を受けられる」という制度が存在します。このシステムは、多くの場合、治療提供者にとっては大きなインセンティブとなり得ます。しかし、これが必ずしも患者さん一人一人にとって最善とは限らないのです。
私はかつて、症例数を増やすことに集中していた時期もありましたが、その結果として患者さん一人一人に対する向き合う時間が削減されてしまうという現実に直面しました。治療の量を追求することで、質が犠牲になることがあるのです。これに気づいてからは、私のアプローチを根本から見直すことにしました。
ということで、インビザライン治療における「レッドダイヤモンドプロバイダー」とされる歯科医師の実際についてお話ししたいと思います。私自身も2020~2022年にこの「レッドダイヤモンド」の認定を受けていました。この認定自体はすごく空虚なもので、私も周りの仲間から祝ってもらってはいたのですが、違和感があったほどです。この認定は症例数が多いことで知られ、一見すると非常に信頼できる指標のように思えますが、実際にはその背後に潜む大きな問題があります。
「レッドダイヤモンドプロバイダー」とは、一定期間内に多数のインビザライン症例を扱うことで与えられるステータスです。これが意味するのは、その歯科医師が多くの患者を治療しているという事実の証左である一方で、すべての治療が質の高い対応をされているわけではありません。
事実、一部のレッドダイヤモンドプロバイダーは、治療計画のほとんどを歯科技工士に委ね、自らはほとんど患者さんとの対話や詳細な治療計画の確認を行わず、最終的なチェックのみを行っています。これは、症例数を追求する過程で、患者一人一人としっかり向き合うことが犠牲になっていることを示しています。
さらに、完全に患者さんとの接触を避け、すべての業務を他者に任せてしまっている医師もいます。これでは、患者さんは個々のニーズや状態に合わせたパーソナライズされた治療を受けているとは言い難いのです。
インビザラインのような先進的な矯正治療を選択する際には、医師の症例数だけでなく、その治療に対するアプローチや患者さんとの関係性にも注目して選ぶべきです。治療の質は数よりもその内容にあり、真のプロフェッショナリズムは患者さん一人一人にどれだけ真摯に向き合うかにかかっています。
私たちは、このような実情を広く知ってもらい、患者さんがより情報に基づいた選択をできるよう支援する責任があります。皆さんが次に矯正治療を考える際には、この情報が参考になることを願っています。
現在、私は症例数を増やすことよりも、患者さんとしっかり向き合い、一つ一つの症例を深く考察することに重点を置いています。この変化は、私自身の満足度を高めただけでなく、患者さんからの信頼も大きく得ることができました。一人一人のニーズに合わせたカスタマイズされた治療計画の提供が、長期的な成功へと繋がると信じています。
私たち歯科医師は、技術的なスキルを磨くことも重要ですが、それに匹敵する、またはそれ以上に、患者さんとのコミュニケーションを大切にすることが求められています。治療の質を第一に考え、患者さん一人一人の幸せと健康を最優先に考えること。これが私たちの使命であるべきです。
この考えを共有できる同業者や患者さんがいらっしゃることを願いつつ、今後も質の高い治療を提供し続けるために努力して参ります。
当クリニックでは、「運動能力向上 マウスピース矯正」「表参道 矯正専門歯科」「不定愁訴改善 歯科治療」など、患者様の多様なニーズに応えるための幅広いソリューションを提供しております。表参道で矯正治療をお考えの方は、ぜひ当クリニックまでお越しください。あなたの健康と美しい笑顔のために、最適な矯正治療を提供します。
医療現場で常に私たちが直面するのは、限られた時間の中でどれだけ多くの患者さんと接するか、という課題です。一人の患者さんに多くの時間を割くことは、他の多くの患者さんと接する機会を減らしてしまいます。しかし、これは単なる時間の問題ではなく、質の高い医療提供への投資でもあります。
私のクリニックでは、一人一人の患者さんに十分な時間を確保することを心がけています。なぜなら、それによって各症例について深く考察し、患者さんの細かいニーズに応えることが可能になるからです。このアプローチには、次のような利点があります:
詳細な診断:患者さん一人ひとりの口腔状況を細かく観察し、詳細な診断を下すことができます。これにより、より効果的でパーソナライズされた治療計画を立てることが可能になります。
詳細な診断とは、患者さんの症状、健康状態、生活習慣、そして具体的な治療ニーズを広範囲にわたり評価し、それに基づいて最適な治療計画を立案するプロセスです。特に歯科治療において詳細な診断が必要とされる場合、
総合的な健康歴の評価:
患者さんの全身の健康状態や既往症を詳しく把握します。これには、現在服用中の薬、過去の手術歴、アレルギーの有無などが含まれます。
口腔内診査:
歯の状態、歯肉の健康、咬合の問題、歯列のアライメントなどを詳しくチェックします。これには、虫歯の有無、歯石の蓄積、歯肉病の兆候などが詳細に調べられます。
画像診断:
X線写真(レントゲン)、CTスキャン、MRIなどを用いて、見えない歯根や顎骨の状態、潜在的な異常を詳しく評価します。これは、治療計画を立案する上で非常に重要な情報を提供します。
機能的評価:
咬み合わせや顎の動きの評価を行います。これには、顎関節の状態や、咬合時の顎の位置関係の評価も含まれることがあります。
審美的評価:
患者さんの審美的ニーズや期待に応じて、歯の色、形、位置などの審美的要素を評価します。
ライフスタイルと口腔衛生習慣の評価:
患者さんの日常生活や食習慣、喫煙や飲酒の習慣、口腔衛生習慣なども重要です。これによって、治療後の維持管理やリスク因子を評価できます。
これらの情報を総合して、患者一人一人に合ったカスタマイズされた治療計画を立てることが、詳細な診断の目的です。こうした詳細なアプローチにより、治療の効果を最大化し、患者さんの満足度を高めることが可能になります。
コミュニケーションの強化:患者さんとじっくり話す時間を持つことで、不安や疑問を解消し、信頼関係を築くことができます。これは治療の成功に不可欠です。
細部にわたる配慮:小さな変化や進行具合を見逃さず、必要に応じて治療計画を柔軟に調整することができます。
確かに、一人ひとりに多くの時間を割くことは、数多くの患者さんを迅速に診ることができる他のアプローチと比べると、一見非効率的に思えるかもしれません。しかし、治療の質を最優先に考える私たちにとって、これは患者さんの最終的な満足度と健康を保つための、最良の方法です。
私たちは、数の追求よりも質の向上に重点を置いています。それが患者さん一人ひとりの真のニーズに応え、最終的には皆さんの健康に貢献する道だと信じています。患者さんとの深いつながりを大切にし、それぞれの症例に最適なケアを提供すること。それが私たちの使命です。
この考えを共有してくださる皆さん、一緒に質の高い医療の実現を目指しましょう!