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前歯で噛めない「開咬(オープンバイト)」は顎関節治療で根本改善へ
2025.07.08
開咬(オープンバイト)は「前歯で噛めない」状態を指し、顎関節へのアプローチで根本的に改善できる可能性があります
こんにちは!東京都港区表参道で矯正治療を専門とする歯医者の院長、伊藤剛秀です。
皆さんの多くは、奥歯をしっかり噛み合わせたときに前歯が閉じずに隙間ができてしまう「開咬(かいこう)」や「オープンバイト」という状態について、もしかしたら耳にしたことがあるかもしれません。これはまさに「前歯で噛めない」状態を指します。この不正咬合は、見た目だけでなく、食事のしにくさ、発音への影響、口呼吸、顎関節への負担、さらには片頭痛や肩こりなど、全身の健康にまで多岐にわたる影響を及ぼします。

従来の開咬治療ではワイヤー矯正やマウスピース矯正が一般的ですが、これらでは根本的な解決に至らなかったり、治療が難しいケースも少なくありません。しかし、顎の位置を調整することで、短期間かつ確実に開咬を改善できる可能性があります。 歯科医院で「開咬」と診断された方、または「前歯で噛めない」という自覚がある方は、安易に歯を削ったり抜いたりする前に、顎関節へのアプローチを専門とする歯科医師へのご相談をお勧めします。早期に適切な治療を行うことで、お口の機能向上と全身の健康につながります。
開咬とはどんな状態?
開咬とは、奥歯をしっかり噛み合わせたときに、前歯が閉じずに隙間ができてしまう状態です。まさに「前歯が噛み合わない」状態とも言えます。鏡でご自身の噛み合わせを確認し、奥歯は噛んでいても前歯の間に空間がある場合は、開咬の可能性があります。
開咬が引き起こす問題点
「前歯で噛めないだけ」と思われるかもしれませんが、開咬は以下のような問題を引き起こします。
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- 食事がしにくい:前歯で噛み切れないため、麺類や葉物野菜を噛み切ることが難しくなります。
- 発音への影響:「さ行」や「た行」が不明瞭になり、滑舌が悪く聞こえることがあります。
- 口呼吸になりやすい:口が常に開いた状態になりやすく、口腔内の乾燥による虫歯や歯周病、風邪のリスクを高めます。
- 顎関節への負担:前歯で噛めない分、奥歯や顎関節に過度な負担がかかり、顎関節症の症状(痛み、不快感、片頭痛、肩こりなど)を引き起こす可能性があります。
- 審美性の問題:見た目を気にして、笑顔に自信が持てなくなることもあります。
開咬の原因は?
開咬の原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることが多いです。
- 遺伝的要因:親からの歯並びや顎の形の遺伝。
- 指しゃぶり・舌の癖:小さい頃の指しゃぶりや舌を前に突き出す癖(舌突出癖)。
- 口呼吸:慢性的な口呼吸。
- 扁桃腺肥大:鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸につながる。
これらに加え、顎の関節の位置のずれによって下顎が後ろに下がり、開咬になっているケースも少なくありません。この場合、気道が圧迫されていびきや睡眠時無呼吸症候群につながったり、噛む筋肉の緊張や食いしばりから片頭痛が起きたりすることもあります。
開咬の治療法
開咬の治療は、原因や症状の程度によって異なりますが、主に矯正治療が中心となります。
- ワイヤー矯正:一般的な矯正方法ですが、開咬の治療は難しいとされています。
- マウスピース矯正(インビザラインなど):比較的治りやすいとされるものの、抜歯や歯を削る処置が必要になる場合があります。歯の位置を変えても元に戻る可能性もあります。
- 外科的矯正:顎の骨のずれが大きい場合に、手術と矯正治療を併用します。
- TMD治療(顎関節症治療):顎関節症の症状がある場合に行われます。
- 口腔筋機能療法(MFT):舌の癖や口呼吸など、お口周りの筋肉の機能を改善するトレーニングです。
しかし、私が重要だと考えるのは、顎の位置を変えて根本的な原因にアプローチする治療法です。この方法は短期間で確実に開咬を改善できるケースがあり、従来の治療法では難しかった症状にも対応可能です。残念ながら、この顎関節にアプローチする治療法はまだ広く知られていません。
もしかして「開咬」かも?と思ったら
もし歯科医院で「オープンバイト」や「開咬」と診断されたり、ご自身で「前歯で噛めない」という自覚があったりした方は、すぐに歯を削ったり抜いたりしようとする歯科医師ではなく、顎関節へのアプローチを意識した歯科医師に相談することをお勧めします。
まとめ
開咬は、見た目だけでなく食事や発音、呼吸、さらには肩こりや片頭痛など、日常生活にさまざまな影響を与える不正咬合です。「前歯で噛めない」という状態は、放置せずに早めに歯科医院を受診し、顎関節の治療に詳しい専門家のアドバイスを求めることが大切です。
健康的な生活を送るためにも、ご自身の歯と全身の健康に意識を向けてみませんか? ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
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