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【歯科医師が解説】「前歯が噛み合わない…」開咬(オープンバイト)は、顎関節から治そう!
2025.08.27
こんにちは!東京都港区・表参道で矯正治療を専門に行っている歯科医師、伊藤剛秀です。
私は、単に「歯並びを整える」だけでなく、全身のバランスを整えることを重視し、頭痛・肩こり・姿勢の乱れなどの不定愁訴の改善や、運動機能の向上を視野に入れた独自の矯正治療を提供しています。
患者様一人ひとりのライフスタイルやお悩みと真摯に向き合い、丁寧なカウンセリングを通じて、最適な治療プランをご提案いたします。
今回は、お子さんだけでなく大人の方にも見られる「開咬(かいこう)」、または「オープンバイト」と呼ばれる噛み合わせの問題について詳しく解説します。前歯が噛み合わない状態は、見た目だけでなく、全身の健康にも大きく影響することがあります。
開咬(オープンバイト)とは?
開咬とは、奥歯をしっかりと噛み合わせたときに、上下の前歯がまったく噛み合わず、間に隙間ができてしまう状態を指します。口を閉じようとしても、前歯が開いてしまうため、見た目にも影響が出やすい不正咬合の一つです。
開咬の場合、前歯で食べ物を噛み切ることができません。そのため、食事の際には奥歯に過度な負担がかかり、様々な問題を引き起こす原因となります。
開咬(オープンバイト)の恐ろしい「悪循環」
なぜ、こんな状態になってしまうのでしょうか?主な原因は、「顎の位置が下がっていること」、つまり**「顎関節が潰れていること」**にあります。
顎関節が潰れて顎の位置が下がると、奥歯にばかり負担がかかるようになります。すると、以下のような悪循環が生まれてしまうのです。
1. 奥歯に負担集中: 奥歯しか当たらないため、前歯で食べ物を噛むことができない。
2. 舌で歯を押す癖: 前歯で噛み切れないため、無意識に舌で上の前歯を前に押し出す癖(舌突出癖)がある方もいます。この癖がさらに歯を前に倒
し、噛み合わせの悪化を招くという悪循環に陥ることがあります。
3. 歯がさらに開く: 舌で押された上の歯はどんどん外側に倒れてしまい、さらに前歯が噛み合わなくなる。
4. 顎関節の悪化: 奥歯への負担が増え、顎関節がさらに潰れていく。
5. 奥歯の痛み: 負荷がかかり続ける奥歯がすり減ったり、痛んだりする。
この悪循環によって、顎先には常にシワが寄るようになり、見た目にも影響が出てきてしまいます。このような状態は、見た目だけでなく、本当に辛いものなんです。
治療の鍵は「顎関節」へのアプローチ
開咬治療は、見た目の変化はもちろんのこと、全身の体の変化も非常に大きいため、歯科医師としてやりがいを感じる治療の一つです。特に重要なのは、**「顎関節へのアプローチ」**です。
・顎関節へのアプローチあり: 顎の位置の改善に焦点を当てて治療すると、体への負担も少なく、比較的早く治癒する傾向にあります。
・顎関節へのアプローチなし: 例えば、前歯を引っ込めるために上の歯を抜く、といった方法だけでは、顎の位置の問題が解決しないため、なか
なか治らなかったり、根本的な改善には至らないことがあります。歯の根っこの位置は変わらないため、見た目上少し噛むように見えても、顎
本来の位置が改善されていないと真の解決とは言えません。
顎の位置が正しくなることで、前歯が自然に噛めるようになるんです。
「開咬」と診断されたら、顎関節の専門医にご相談を
もし、あなたが「開咬」や「オープンバイト」と診断されたことがあるなら、ぜひ一度、顎関節までしっかり見てくれる歯科医師に相談してみてください。
顎関節に詳しい歯科医師に診てもらうことで、
・体への負担を減らすことができる。
・不必要に歯を削ったり抜いたりする処置を減らすことができる。
といったメリットがあります。
「もしかしたら、今の先生は顎関節については専門ではないかも…」と感じたら、顎関節を専門とする歯科医師の意見も聞いてみるのが良いでしょう。それが、より負担の少ない、そして根本的な治療への第一歩になるかもしれません。
開咬は決して珍しい症状ではありませんが、その解決には専門的な知識と経験が必要です。お困りの際は、お気軽にご相談ください。
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開咬については、他のブログ記事でも詳しく解説しています。ぜひそちらも合わせてご覧ください。
https://itotakehide.com/cat_blog/195/
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