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【歯科医師解説】歯並び矯正の真の目的は「脳の正常発育」を促すこと

2025.10.03

東京大阪で矯正治療を専門に行っている歯科医師の伊藤剛秀です。

従来の「歯を並べるだけ」の矯正治療ではなく、全身の姿勢、顎の骨の発育、そして脳の機能までを統合的に診るホリスティックなアプローチを提唱しています。特に成長期のお子様に対しては、「小児矯正」を通じて、歯並びの改善はもちろん、集中力や呼吸など将来の健康に繋がる土台づくりを重視しています。矯正を通して、患者様一人ひとりの人生の質(QOL)を高めることを目指し、日々診療にあたっています。

今回は、お子様の健康と成長に関する非常に重要なテーマについてお話しさせていただきます。近年、「小児矯正」の必要性や、治療を始めるべき「いつから」というタイミングについて、多くの親御様からご質問をいただきます。

そこで、お子様の将来の健康を左右する小児矯正の真の目的に焦点を当て、その効果と最適な開始時期について詳しく解説させていただきます。

 

 

「小児矯正」と聞くと、多くの親御様は「将来、歯をきれいに並べるための準備」だとお考えになるでしょう。もちろん、それも重要な目的の一つですが、私たちが東京大阪の診療で最も重要視しているのは、「お子様の脳の正常な発育を促すこと」です。

これは、一見すると歯を扱う歯科治療とは無関係に聞こえるかもしれません。しかし、お子様の「呼吸」と「顎の成長」、そして「脳の機能」は、私たちが想像する以上に密接に繋がっており、歯科医師として絶対に見過ごせないポイントなのです。

特に、お子様の脳は、小学校の高学年頃までが急激に成長する黄金期です。この時期の成長が、お子様の将来の集中力、学力、そして心身の健康を大きく左右すると言っても過言ではありません。

私たちが矯正治療を通じて目指すのは、「脳が最大限に働くための最適な環境」を整えることです。

実は、脳の発育と顎の成長は、非常に深く連動しています。脳が大きく成長するのに合わせて、その土台となる上顎(上の顎)の骨も成長します。しかし、何らかの理由で顎の成長が妨げられると、脳の成長に必要なスペースや環境も十分に得られなくなってしまうのです。

例えば、口呼吸が習慣化していると、顎の正しい成長が妨げられ、将来的に歯がガチャガチャになる(叢生)だけでなく、脳の機能までもが低下するリスクを負います。小児矯正をいつから始めるか、そのタイミングは、単に歯を並べること以上に、お子様の人生の質(QOL)に関わる重大な決断なのです。

当院では、この顎の成長と脳機能の連動性という視点から、従来の矯正治療の枠を超えたアプローチを行っています。

 

 

集中力・学力にも直結!脳を冷やす「鼻呼吸」の重要性

 

お子様に、以下のような心当たりはありませんか?

 

・いつも口がポカンと開いている

・眠そう、または集中力が続かない

・風邪を引きやすい、またはアトピーや花粉症がある

 

これらのサインは、「口呼吸」が習慣になっていることの表れかもしれません。

人間の脳は、活動すると大量の熱を発生させます。なんと1時間に約20Wもの熱を産生しており、この熱を常に冷やし続ける必要があるのです。脳の温度が40.5℃を超えると、脳機能に障害が起こると言われています。勉強中や先生の話を聞いているときに眠くなるのは、脳が疲れて熱を持ち、「休もう」としている状態なのです。

ここで重要なのが鼻呼吸です。

鼻呼吸が滞ると、脳は常にオーバーヒートしやすい状態に陥ります。特に、思考や判断を司る脳の前頭葉が熱を持つと、集中力の低下、多動、意欲の減退といった問題に直結しかねません。お子様の学力や学習への意欲を最大限に引き出すためにも、脳を冷やす「呼吸」の環境を整えることが、何よりも重要になるのです。

 

 脳の冷却:鼻で呼吸をすると、吸い込んだ空気が脳の前頭葉(思考や集中力を司る部分)を冷やしてくれます。これにより、脳の機能が維持され、集中力が途切れにくくなります。

 

 免疫力の向上:鼻毛が空気中の細菌やウイルスをろ過するフィルターの役割を果たし、また、体温を下げずに温まった空気が体に入るため、免疫力が高まります。実際、鼻呼吸を意識的に獲得することで、アトピー性皮膚炎が改善した例も数多く確認されています。

 

口呼吸になると、脳が熱を持ちやすく、機能障害を起こしやすい状態になってしまいます。

 

 

顎の成長と脳の成長の「密接な関係」

 

では、これがどのように矯正治療と結びつくのでしょうか。

お子様の脳は、小学校の高学年頃まで驚異的なスピードで成長します。そして、その脳の成長に合わせて、頭の骨、特に上顎(上の顎)も大きく成長します。

もし、口呼吸などによって脳の機能が十分に発揮されず、発育が促されない状態にあると、それに連動して上顎の成長も妨げられてしまう可能性があります。

上顎が十分に成長できないと、将来生えてくる永久歯を並べるスペースが確保できず、ガチャガチャの歯並び(叢生)になってしまったり、逆に下顎だけが成長して受け口(しゃくれ)になってしまうリスクが高まるのです。

 

小児矯正を始める「いつから」がベストか?

このような顎や脳の成長という観点から、小児矯正を始めるタイミング、つまり「いつから」治療を始めるかという判断は非常に重要になります。

一般的に、小児矯正は以下の時期に分けられます。

 ・0期治療(乳歯列期):乳歯だけの時期。

 ・1期治療(混合歯列期):乳歯と永久歯が混ざっている時期。(目安:小学校入学前~低学年)

 ・2期治療(永久歯列期): すべて永久歯に生え変わった時期。(大人と同じ矯正)

 

私たちが特に重要視し、介入したいのは、顎の骨を大きく成長させることができる「1期治療」の時期です。この時期に適切なアプローチを行うことで、顎を理想的な大きさに広げ、将来の抜歯のリスクを減らし、そして何よりも脳の正常発育をサポートする環境を整えることができます。

親御様が「うちの子は小児矯正いつから始めればいいだろうか?」とお悩みになるのは当然です。顎の成長期にはリミットがありますから、治療開始が遅れると、骨格的な問題を改善するのが難しくなってしまいます。

東京大阪の当院にご相談いただく際も、お子様の顎の成長カーブや呼吸の状態を詳しく診断し、最適なタイミングをご提案しています。口呼吸や口元のポカンに気づいた時が、小児矯正の相談を始めるいつからかを検討するタイミングだと言えるでしょう。

 

まとめ:当院の小児矯正が目指すゴール

 

私たちが提供する小児矯正のゴールは、単に「きれいな歯並び」を作ることではありません。

それは、「お子様の身体と脳が持つポテンシャルを最大限に引き出し、健やかで集中力のある毎日を送れるようにすること」です。その結果として、永久歯がきれいに並ぶスペースが確保され、美しい歯並びが実現します。

お子様の歯並びや口元の癖が気になったら、まずはご相談ください。東京と大阪で、お子様の未来の健康をサポートするため、全力でサポートさせていただきます。

 

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