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【歯科医師解説】矯正治療で失敗しないために!費用の安さだけで選んではいけない理由と本当に信頼できるクリニックの選び方

2025.10.15

皆さん、こんにちは。私は東京の表参道と大阪(梅田・難波)で矯正歯科をしている伊藤剛秀です。

私が最も大切にしているのは「全身の健康と機能を取り戻すこと」です。歯並びや口元の美しさはあくまで結果であり、根本にあるのは頚椎の角度や身体全体のバランスです。実際に、長年、肩こりや頭痛、不眠といった不定愁訴を抱える患者さんの顎のズレを改善すると、驚くほど症状が軽快するケースも少なくありません。私の診療方針は「歯を治す」のではなく「人を診る」こと。矯正治療や噛み合わせの調整を通じて、患者さんがより快適に、健やかに生きられるよう全身の視点でサポートしています。

 

矯正治療は「美容」か「健康」か—その本質

 

歯列矯正は、単に歯並びを整えるという行為を超え、その特性上、美しさを求める「美容医療」の一面と、顎の関節や筋肉、そして全身のバランスに直結する「機能回復医療」の一面を強く併せ持っています。

近年、技術の進歩により、目立たないマウスピース矯正や部分矯正などが手軽に始められるようになり、患者さんの選択肢が増えたことは大変喜ばしいことです。しかし、この「手軽さ」や「安価な広告」の裏側には大きな落とし穴が潜んでいます。

私は、多くの患者さんのセカンドオピニオンや再治療の経験から、矯正治療の「費用」や「期間の短さ」だけを判断材料にしてクリニックを選んでしまうことの危険性を強く感じています。なぜなら、患者さんが本来得るべき「機能的で長期的に安定した噛み合わせ」という大切な結果が、目先の安さに惑わされることで犠牲になってしまうケースが後を絶たないからです。

そこで今回は、矯正治療の費用に隠された「落とし穴」にスポットを当て、あなたが本当に満足のいく結果を得るために、信頼できる矯正歯科を見極めるための「本質的な基準」とは何かを、専門医の視点から徹底的に解説させていただきます。治療を始める前に、ぜひこの視点を持っていただければ幸いです。

 

1. 「安さ」の裏側にある、積み重なる追加費用のトリック

 

大阪など大都市圏で矯正歯科を探す際、まず最初に誰もが気になるのが治療の費用でしょう。電車の中吊りやインターネット広告で、「〇〇万円から」「月々〇円で」といった、一見魅力的な安価なプランを提示するクリニックが少なくありません。特に、手軽なイメージのあるマウスピース矯正では、「とりあえず安く始められる」という点が強調されがちです。

しかし、ここで立ち止まって考える必要があります。歯科医療における矯正治療という高度な専門行為は、多くの場合「準委任契約」という法的形態をとります。これは、例えば「家を建てて引き渡す」といった結果を約束する請負契約とは異なり、「完璧な歯並び」という最終結果を法的に必ず保証するものではない、ということです。私たちは、診断から治療計画、装置の設計、日々の調整に至るまで、患者さんの理想に近づくために最善を尽くす「行為」に対して費用をいただくという契約になります。

この「結果は保証されないが、努力はする」という医療行為の性質を、一部のクリニックはビジネスとして利用しているのが現実です。費用が安いからといって飛びついてしまうと、その安価なプランが、実は「ゴールまでの全費用ではない」というトリックに巻き込まれる可能性があるのです。この準委任契約の性質を逆手に取り、患者さんの不安や「もう少し綺麗にしたい」という心理を利用したビジネスモデルが、残念ながら存在しています。

 

安価なコースから高額に移行する仕組み

 

 ・初期費用を安く設定:

  最初に7枚コース、14枚コースといった枚数や期間が限定された安価なプランを提示します。

 ・治療が計画通りに進まない:

 矯正治療では、患者さんの協力不足(マウスピースの装着時間不足)や体質(歯が動きにくい、炎症が起きやすい)など、様々な理由で計画通りに進まないことがあります。

 ・追加費用の発生:

 治療が完了しない、あるいは患者さんが「もう少しこだわりたい」と完璧を求め始めた時、クリニック側は「ここからは追加の治療が必要です」として、次の高額なコース(26枚コース、3年コースなど)への移行を提案します。

 ・結果的な高額出費:

 安い金額で始めたはずが、気がつけば最初の費用の何倍にもなり、結果的に150万円を超えるような高額な治療費を支払うことになってしまうケースも少なくありません。

これは、契約上「結果を保証していない」という医療行為の性質を利用した、「不十分な結果を次の高額メニューに繋げる」というビジネス戦略なのです。

 

2. 理想の矯正治療は「長期的かつ完璧な結果」を目指すもの

 

私が目指す矯正治療は、決して途中で妥協するものではありません。私たちは、患者さんが納得し、全身の機能が最も安定する「完璧」を目指して、分析、診断、治療、装置の設計すべてに最新の注意を払います。

費用や期間に制限を設けて「ここで終わり」としてしまうのは、患者さんの満足だけでなく、長期的な顎の安定や全身の健康を犠牲にしかねません。

特に、私の専門とする「全身を診る矯正」において、顎の位置は頚椎の角度や重心に直結します。わずかな噛み合わせのズレが、将来的な不定愁訴や姿勢の悪化に繋がる可能性があるため、「もうちょっと」のこだわりこそが、患者さんの人生の質(QOL)を大きく左右するのです。

 

3. 本当に信頼できる矯正歯科医を選ぶための5つの基準

後悔なく、満足のいく矯正治療を進めていただくために、費用や広告のイメージだけで判断するのではなく、ぜひ以下の5つの基準を参考に、あなたにとって本当に信頼できる矯正歯科を選んでみてください。

 

1. 先生の「哲学」と「考え方」

 

 ・何をゴールとしているか?: 「単に歯を並べること」だけがゴールなのか、「全身の機能回復」や「健康寿命の延伸」を目指しているのか、先生の治療哲学をしっかり聞きましょう。

 ・当院の場合: 私の哲学は「歯を治す」のではなく「人を診る」こと。顎のズレと全身のバランスを統合して考えます。

 

2. 技術と経験、そして「努力」の姿勢

 

 ・医療は準委任契約であるからこそ、結果に向けてどれだけ努力する姿勢があるかが重要です。

 ・最新の診断機器(3Dスキャン、セファロなど)を駆使し、分析と診断に時間をかけているかを確認してください。

 

3. 費用体系の透明性

 

 ・「追加費用はどこまでかかるのか?」を明確に説明してくれるか。

 ・最初に提示された費用が、後戻りの修正や想定外の追加治療をどこまでカバーするのか、期間も含めて確認しましょう。「〇年間の保証」など、長期的な保証があるかも重要な判断基準です。

 

4. 患者さんの「こだわり」や「理想」に寄り添ってくれるか

 

治療が進むにつれて、「もう少しこうしたい」「ここを微調整したい」というこだわりが出てくるのは当然です。それを「もう枚数(期間)制限なので終わりです」と一方的に打ち切るのか、患者さんの理想を目指して最後まで寄り添い、真摯に向き合ってくれるのか。歯科医師の話しやすさや信頼関係から、その姿勢を判断してください。

 

5. 長く付き合える関係性

 

矯正治療は、装置を外した後も、保定期間を含めれば数年にわたるお付き合いになります。費用や損得ではなく、「この先生に最後まで任せたい」と思える人間的な信頼関係を築けるかどうかが、結果的に最も重要になります。

 

 

最後に:あなたの大切な身体を預ける場所

 

矯正治療は、人生において決して安くない投資であり、あなたの身体の機能と健康に深く関わる重要な医療行為です。

東京の表参道大阪(梅田・難波)で診療にあたる私は、目先の安さや手軽さだけを追うのではなく、患者さんがより快適に、健やかに、そして自信を持って生きられるように、全身の健康を土台とした矯正歯科治療を提供し続けてまいります。

ぜひ、安易な情報に惑わされず、あなたの未来の健康を共に築いてくれる「本物の歯科医師」を選んでください。

なお、もし当院のある東京や大阪にお住まいでない場合でも、ご安心ください。私は全国で勉強会を開いており、私の治療哲学である「全身を診る矯正」と同じ考えを持った先生方が多くいらっしゃいます。お近くで信頼できる矯正歯科をお探しでしたら、ご連絡いただければご紹介できる場合がございます。

ご自身の身体と未来について深く考えるすべての患者さんからのご相談を、心よりお待ちしております。

 

 

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